肖像権ガイドライン
2021年4月19日 公式版公開
●「肖像権ガイドライン~自主的な公開判断の指針~ (2023年4月補訂)」
【2023年4月補訂版における修正箇所】
- 23頁 裁判例7の点数を「-5点」から「-20点」に修正
- 23頁 裁判例21の点数を「+10点」から「+5点」に修正
- 32頁 裁判例2の「A4版」を「A4判」に修正
- 35頁 裁判例7の「社会的偏見につながり得る情報」の「-10」を「-15」に修正
- 37頁 裁判例11の「覚える」を「おぼえる」に修正
- 41頁 裁判例17の「整合性」を「×」から「○」に修正
- 43頁 裁判例21の「社会的偏見につながり得る情報」の「-10」を「-15」に、合計点を「+10点」から「+5点」に修正
●「肖像権ガイドライン~自主的な公開判断の指針~ (2021年4月)」(デジタルアーカイブ学会肖像権ガイドラインとその解説)
●デジタルアーカイブ学会の「肖像権ガイドライン~自主的な公開判断の指針~」は、クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際ライセンス (CC BY 4.0) の下に提供されています。クレジットを明記していただくことを条件に、営利目的、非営利目的を問わずご利用いただけます。
(クレジット記載例:デジタルアーカイブ学会「肖像権ガイドライン~自主的な公開判断の指針~」より)
なお、改変して利用される場合は、改変を行った旨を必ず明記してください。
2021年1月8日 パブリック・コメント実施
●「肖像権ガイドライン(案)(第 4 版) とその解説」
●パブリック・コメントの結果
2020年4月25日「第 3 回肖像権ガイドライン円卓会議」配布資料
●「肖像権ガイドライン (案)(第 3 版)」
●「肖像権ガイドライン (案)(第 3 版) の解説」
2020年2月15日「第 2 回肖像権ガイドライン円卓会議 IN関西」配布資料
●「肖像権ガイドライン (案)(第 2 版)」
●「肖像権ガイドライン (案)(第 2 版) の解説」
2019年9月26日「肖像権ガイドライン円卓会議」(東京) 配布資料
●「肖像権処理ガイドライン (案)(第 1 版)」
●「肖像権処理ガイドライン (案)(第 1 版) の解説」
肖像権ガイドラインについて
デジタルアーカイブ機関が、デジタルアーカイブを整備してその利用を促進するにあたり、「権利の壁」として立ちはだかるものとして、著作権などと共に、いわゆる肖像権が挙げられます。
肖像権は、著作権のように法律上明文化された権利ではなく、裁判例で認められた権利です。そのため、権利の対象や保護の射程などのはっきりした規定はなく、すべて解釈に委ねられています。拠りどころの1つとなる最高裁の判決は、法廷での写真撮影に関していくつかの要素を「総合考慮」して、写真撮影およびその公表により、本人の「人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超える」ものかどうかを検討して撮影・公表の適法性を判断しています。
しかしながら、大量のコンテンツを扱うデジタルアーカイブ機関の現場では、「総合考慮」という基準のみで公表の是非を判断するのは現実的ではありません。このような状況下では、本来デジタルアーカイブに保存され、活用されるべき多くのコンテンツが、肖像権の判断ができないという理由で死蔵化あるいは消滅する危機に直面していると言っても過言ではありません。
デジタルアーカイブ学会法制度部会では、これまでもデジタルアーカイブの基本法制の実現に向け活動してきましたが、これと並行して、デジタルアーカイブ機関の現場担当者が肖像権処理を行うための拠りどころとなるようなガイドラインを提案すべく、何度も検討を重ねてきました。
2019年には第1回「肖像権ガイドライン円卓会議―デジタルアーカイブの未来をつくる」を開催し、議論と意見交換の叩き台としてガイドライン案の第1版を公開しました。2020年には第2回、第3回の肖像権ガイドライン円卓会議を開催し、ガイドライン案を順次改訂してきました。さらに、デジタルアーカイブ機関等において実証実験を行い、その結果をデジタルアーカイブ学会の研究大会ワークショップで発表しました。
法制度部会では、以上の検討をふまえ、2021年1月にガイドライン案の「法制度部会版ver.4」を公表し、パブリックコメント手続を実施しました。当学会は、パブリックコメント手続で寄せられた意見や、その他の公開イベント、シンポジウム等で得られた意見等をふまえ、ガイドラインの改訂を行い、ここにガイドラインの当学会公認版を公表します。
本ガイドラインは、権利者と利用者間の合意などに基づくガイドラインとは異なり、肖像権という法的問題に向き合うための考え方のモデルをデジタルアーカイブ学会が示し、デジタルアーカイブ機関における自主的なガイドライン作りの参考・下敷きにして頂くことを目的としたものです。
各デジタルアーカイブ機関においては、本ガイドラインの考え方を参考に、肖像が写ったコンテンツの公開方針を定めていただければ幸いです。
なお、本ガイドラインの記載のうち、肖像権という法的問題への考え方については、必ずしもデジタルアーカイブ機関だけに限定されない部分もあることから、例えばメディアや、研究・教育、映像等の各種機関(営利・非営利を問いません)においても、本ガイドラインの考え方を参考に、自主的なガイドラインを策定することは大いに考えられるところです。
2021年4月19日
デジタルアーカイブ学会